消費者庁より枝豆やナッツ等の豆類を、5歳以下の子供には食べさせないよう注意喚起がでているのをご存知でしょうか?
私はこの記事を書くにあたり初めて知りましたが、お子さんがいるご家庭であれば、知っておきたい情報の1つですね。
枝豆は夕食ができるまでのちょっとした時間にも手軽に食べられ、また食卓にも登場する機会が多い食べ物ですね。
私も日頃からよく食べていますし、身近な食べ物なので消費者庁という公的機関より注意喚起が出ていることにびっくりしました。
中には、枝豆や大豆で誤嚥した事例もありましたので、もし5歳以下のお子さんが一人で食べているご家庭は注意が必要です!
では、なぜ消費者庁では枝豆を5歳以下の子供に食べさせてはいけないのか、その理由や危険性も含めて紹介していきます。
枝豆が消費者庁より5歳以下は危険と判断される理由
枝豆は、自然と食卓に並ぶものですよね。夕食が出来上がるまでの合間や、サヤから取り出して他の食材とあえたりなど手軽に食べられるのも魅力です。
ではなぜ、5歳以下の幼児に枝豆などの豆類を与えてはいけないのでしょうか?
その理由は子供の消化する力や咀嚼力など、飲み込む力と吐き出す力が未熟で誤嚥を引き起こすおそれがあるということでした。
では、消費者庁の豆類の誤嚥を防ぐための注意喚起もあわせて、詳しくご説明していきますね。
飲み込む吐き出す行為ができる6歳頃からが望ましい
豆類に関して、消費者庁より出ている注意喚起はこちらになります。
ピーナッツ、炒り豆、枝豆等の豆類、アーモンド等のナッツ類は、飲み込む準備ができていない時にのどに落ちたり、息を吸ったときに不意にのどに移動したりして、のどに詰まることがあります。また、小さく砕いた場合でも、気管に入り込んでしまうと肺炎や気管支炎になるリスクがあります。さらには、豆が気管や気管支の中で水分を吸って膨らみ、窒息を引き起こす場合もあります。大変危険なので、5歳以下の子どもには食べさせないでください。
消費者庁
私は、ピーナッツなどの硬いものは分かりますが、枝豆は比較的食感も柔らかめだと思っていたので枝豆も対象に入るんだなと驚きました。
しかも、小さく砕いた場合でも危険とのことだったのでかなり注意が必要ですね。
私はつるっと喉に入ってしまうような丸い形が危ないのだろうと思っていたので、小さく砕いてもダメだというのはとてもびっくりしました。
では、実際に枝豆を何歳から与えているのか調べてみると、このような結果になりました。
離乳食ならペースト状にして中期の7か月ごろからあげていた。
3歳の幼稚園のお弁当に枝豆をサヤから出してピックにさして入れているわ。
この結果から、あれ?3歳なら食べても良いのかなと疑問に思いました。
しかし消費者庁では、個人差はありますが3歳頃になると噛む力と飲み込む力、吐き出す力もつきますが、誤嚥のおそれがあるので食べさせないよう注意喚起していました。
実は、枝豆などの豆類を飲み込む力と、吐き出す力を協調させて使うことができるのが6歳頃からと言われています。
簡単に説明すると、飲み込もうとしたけど、危険を感じ吐き出すという行為ができるようになるのが大事なんですね。
このことから、5歳以下の幼児には与えてはいけないと注意喚起しているようです。
また、誤嚥を引き起こす要因に食べている途中に走ったり、声を出して笑うなど、口に物を含んだままの動作も原因として挙げられています。
ある程度落ち着いて食事ができるようになり、誤嚥の発生率が低くなる6歳から与えるのが一番望ましいと言えますね。
枝豆や豆類を誤嚥してしまった事故例を2つご紹介
誤嚥(ごえん)とは、食べ物や異物が気管や気管支等に入ってしまうことを言います。
お子さんのいるご家庭では、食べられる年齢だけど「誤嚥をしたら大変」と与えるのを躊躇している方も少なくありません。
私も、豆類は小さいから多少丸のみしても大丈夫と思っていました。
実は丸のみや小さく噛み砕いても、窒息などにつながりとても危険なのです。
誤嚥をすると、窒息や肺炎・気管支炎等のおそれにつながりますからとても恐ろしいことですね。
では、枝豆や大豆を食べて発生した、事故事例が2つありますのでご紹介します。
枝豆を飲み込み窒息しかけた
こちらが、消費者庁が発表した枝豆を誤嚥してしまった事例です。
こんな事例を知ると、いかに誤嚥が恐ろしいか分かりますね。
調べてみると、子供の気道の大きさは3歳児で直径4cmです。2~3粒丸のみして重なった状態なら、気道を塞いでしまうことも考えられます。
私の友人も、お子さんのお弁当に枝豆を入れるそうです。しかし、 目の届かない場所での枝豆は危険だと感じました。
結果このお子さんは、背中をたたいて1粒出ましたが、翌日もぜいぜいし続けていたため来院し、気道異物の疑いで全身麻酔の上、枝豆1/2を除去、1ヶ月間入院したそうです。
1粒半吐き出したにもかかわらず、除去された1/2個が原因ということからも、例え小さく砕いたものでもだめだという理由が分かりますね。
気管支に大豆の破片が入ってしまった
こちらが、消費者庁が発表した煎り大豆を誤嚥してしまった事例です。
私も小さい頃、節分でまいた大豆を食べていた覚えがあります。
5歳を超えていたのか、たまたま上手く飲み込めたのか分かりませんがこういう事例を読むとよく無事だったなと恐さを感じます。
結果このお子さんは、全身麻酔の上、気管支鏡検査をし気道異物除去を行い、気管支に大豆の破片が3個あったため摘出、5日間入院したそうです。
節分などの季節のイベントは、風習だからと小さいお子さんの安全を考えないで始めてしまうと、思わぬ事故につながる恐れがありますので注意しましょう。
また5歳以下のお子さんがいらっしゃるご家庭では、終わった後の豆掃除を念入りにしたり、小袋の豆をそのまま撒いたりなど、工夫して誤嚥のリスクを減らすことも大事ですね。
枝豆や大豆を子供が飲み込んだ場合の対処法
いくら気を付けていても、誤嚥してしまう可能性はどこにでも潜んでいます。
その可能性を少しでも失くすために注意することが大切ですが、それでも起こってしまった時の応急処置を紹介したいと思います。
消費者庁によると、口の中に指を入れることはせずに応急処置を行い、処置後は速やかに医療機関を受診するようにと案内しています。
処置は、年齢や体の大きさにあわせて変わりますので注意しましょう。
こちらが、お子さんが誤嚥した時の処置方法になります。
0歳児 | 背部こう打法 |
1歳児以上 | 背部こう打法変法 |
満5歳児以上 | 腹部突き上げ法 |
0歳児は、首が座っていてもうつぶせになると必ず下を向いてしまい、気道がふさがりますので、下あごを支えて軽く突き出し、上半身がやや低くなるようにします。
1歳児以上も基本的に同じですが倒れこまないように、椅子の座面にお腹を載せた状態で下あごを支えます。
0歳児も1歳児以上も、叩くときは手の付け根で背中の真ん中(肩甲骨の間)を4~5回叩きます。
また満5歳児以上のお子さんは、上記の背部こう打法で異物が取り除けない場合、胸骨を圧迫する腹部つきあげ法があります。
お餅などを詰まらせた時は、胸骨を圧迫する腹部つきあげ法と背部こう打法を交互にやると良いそうです。
あわてて、口に指をいれてしまいそうですが、このように吐き出させるような処置が正しいのですね。
しかし、とっさにこのような処置を行うのは簡単ではありません。
考えただけでも、私だったらあわてて、おろおろしてしまうだろうなと不安を感じました。
しかし、知っておくのと実際に起こった場合に冷静に対処ができますので、しっかり頭に留めておきたい情報ですね。
私も子供が誤嚥をおこす場面に遭遇したら、まずは落ち着いてこの応急処置を思い出せることができるように、勉強しておこうと思いました。
枝豆の他にも大豆など気をつけたい食べ物
その他にも5歳以下の子供に与える際注意しておきたい食べ物をまとめました。
消費者庁では、14歳以下の誤嚥した事故の原因となった食品を紹介しています。
- 第1位 菓子
- 第2位 豆・ナッツ類
- 第3位 果物
1番多いのは口にすることが多い菓子類となります。菓子といっても様々な種類が含まれており飴やラムネ、グミなどが含まれているそうです。
ラムネはすぐに溶けるけど大きいものもあるし、グミはよく噛んで食べないと飲み込めないね。
2番目に多いのが注意喚起の出ていた豆・ナッツ類になります。
消費者庁からの注意喚起されている中では炒り豆となっていますが、これは節分で使われる大豆を炒ったものが当てはまります。
私もよく食べますが、ピーナッツやアーモンドが入っているチョコレートやクッキーなどがありますので口にしてしまう機会は多いですよね。
豆・ナッツ類にもいろいろ種類はありますが、他の種類の多さから比べると誤嚥しやすい食べ物の代表的な食品であると言えます。
豆・ナッツ類の他には、次のようなものにも気をつけましょう。
- ぶどうやさくらんぼなど球状のもの
- りんごや生のにんじんなど硬くて噛みきりにくいもの
- パンやカステラなど飲み込みづらいもの
果物の球状は危ないですよね。気を付けて食べていても、何かのはずみでそのまま丸のみする危険性があります。
私も夕食中、ぶどうを食べていてつるっと喉の奥に入ってしまい、慌ててせきこんだ覚えがあります。
大人の私でさえ焦って、どうしていいか分からなかったのでお子さんなら大変危険です!
誤嚥を防ぐためにも、お子さんが誤嚥しやすいものを食べる時は見守ってあげるのが良さそうです。
消費者庁には子供の安全を守るメールサービスがある!
それでは、今回のこのような注意喚起を行っている消費者庁とはどういう機関なのでしょうか?
消費者(=私達ですね)を守る為の政策を行っているところが消費者庁です。
では、消費者庁が行っている政策をみていきましょう。
- 悪徳商法などから消費者を守る
- 食品安全に関する知識と理解を消費者が深めるための取り組み
- 子供・高齢者の事故や被害を防ぐ etc
この他にも、消費者庁では、消費生活の制度や環境づくりなど、色々な取り組みがあります。
詳しくは消費者庁ホームページに載っていますが、消費者のためにこんなにいろいろなことをやっているんだなと改めて勉強になりました。
今回の注意喚起も消費者庁の取り組みである子供の事故を防ぐ、食品安全に関する知識を深めるという観点から出されているんですね。
このような子供の事故を防ぐような注意喚起は、小さいお子さんをもつご家庭では知りたい重要事項ではないでしょうか。
しかし、自分で調べようと思うと時間もかかるし、正しい情報の選択も必要になってきます。
その重要事項をお知らせしてくれるのが、消費者庁のメール配信サービス「子ども安全メールFrom消費者庁」です。
消費者庁
登録しておくことでホームページを見なくてもメールが届き、リアルタイムで情報を受け取れるので便利ですね。
注意しなければいけない情報を知っているということは、事故を防ぐ1番の対処法です。
このようなサービスはあまり知らない人も多いのではないかなと思うので、私も子供をもつ知人に教えてあげようと思いました。
まとめ
- 消費者庁によると、枝豆などの豆類、ナッツ類は飲み込む力と吐き出す力を協調させて使う事ができる6頃歳から与えるのが望ましいため5歳以下は与えないようにする
- 枝豆を2~3粒飲み込んで窒息しかけた事例があるため、幼稚園や保育園のお弁当に入れるのも危険
- 節分の時期によく煎り大豆が気管支に入る事例があるため、小袋のまま撒いたり、終わった後の後片付けも念入りに行うことが大切
- 窒息や肺炎・気管支炎等のおそれにつながる誤嚥は危険
- 誤嚥が起こってしまった場合は、年齢にあわせた応急処置で対処後、医療機関を受診する
- 誤嚥の原因は豆類、ナッツ類の他にも菓子や果物など球状のものにも注意する
- 消費者庁では、子供の安全を守るメールサービスがあり、新しい情報はすぐにメールで届くから便利
子供が1人で安全に食事をできるようになるまでは、食べ物にもまだまだ注意が必要ですね。
消費者庁のように分かりやすくまとめて、注意ポイントを発信してくれる機関の情報はどんどん取り入れていきましょう。
国の機関が提供している情報で安心感もありますよね。
私も今回初めて消費者庁がこういう取り組みをしていると知り、もっと活用して子供たちを安全に守れるようになりたいと思いました。