BCAAを寝る前に摂取すると、寝ている間の筋肉の分解を妨げてくれると言われています。
しかし逆にデメリットとして、良質な眠りが妨げられる可能性があるので注意が必要です。
近年の筋肉ブームから運動をする人が増えました。そのパフォーマンスを上げるため、筋肉を育てるためにプロテインやBCAA、サプリメントがたくさん売られています。
私はプロテインだけを飲んでいるのですが、「BCAAを飲んでいる」というダイエットYouTuberの動画を見てBCAAにも興味が出てきました。
BCAAは寝る前に飲むのがお勧めという記載もあれば、寝る前は飲まないという主張もあり、気になったので調べてみました。
BCAAは寝る前に飲むとどうなるのか、飲む量は?そもそもBCAAって?という疑問を解消します!
BCAAを寝る前に飲むと良いこと悪いことがある
BCAAは必須アミノ酸の中の3つですが、寝る前に飲むことで得られるメリットはあるのでしょうか?
メリットは眠っている間の筋肉の分解を防ぐ効果が期待できます。
体は常に細胞分裂を繰り返しています。しかしその材料が不足してしまうと、今あるもので補ってしまうのです。
ここで言う、「今あるもの」とは筋肉です。BCAAは筋肉の代わりに速やかにエネルギーとなり筋肉の減少を守ります。
しかし実はデメリットもあります。それはBCAAを寝る前に摂取すると眠れなくなる可能性がある、ということです。
私の場合、寝不足になると翌日の仕事に集中できなかったり、体の疲れが取れないことが多くあるので眠れなくなるというのは大きな問題です。
BCAAを寝る前に飲むメリットは筋肉の分解を防ぐこと
BCAAを寝る前に飲むメリットは、眠っている間に筋肉が分解されるのを阻止または緩和が期待できることです。
筋肉は日中だけでなく、眠っている間にも細胞分裂を繰り返しています。
新しい細胞を作るのに必要なのがアミノ酸です。眠っている間はこのアミノ酸が手に入らないので筋肉が分解される恐れがあります。
そこで寝る前にBCAAを摂取し、アミノ酸を体に入れることで、眠っている間の筋肉の分解を防ぐ役割を果たしてくれるのです。
また筋肉の回復や筋肉痛の軽減にもBCAAは役立つと言われています。
私は学生のころ部活で運動をしていたのですが、母の勧めで家に帰ってからアミノ酸の粉末を飲んでいました。
今思うとあれにはBCAAが入っていたのかもしれません。飲むと翌日の筋肉痛がそれほど痛くなかったなと当時のことを思い出しました。
寝る前にBCAAを摂取するだけで、筋肉の維持に効果が期待できるのは嬉しいポイントですが、実はデメリットもあるのです。
BCAAを寝る前に飲むと睡眠の質が下がる
BCAAの寝る前に飲むデメリットとしては、BCAAを摂取することで眠れなくなる可能性がある、ということです。
質のいい眠りにはメラトニンという物質が必要です。
メラトニンの分泌を司っているのがセロトニンで、セロトニンの材料がトリプトファンです。このトリプトファンが脳に届くことで、質の良い眠りにつけるのです。
BCAAはトリプトファンと同じく脳に運ばれるのですが、BCAAが多いとBCAAばかりが脳に運ばれ、トリプトファンが脳に到達するのを妨げる恐れがあるのです。
こうなると質の良い眠りを獲得できません。これがBCAAを寝る前に摂取するデメリットです。
私は筋肉の分解を防ぎたいのですが、眠れなくなる可能性があるのは日中の作業に支障が出てしまうので困ります。
自分でBCAAを飲んでみて眠れそうになければ寝る前のBCAAをやめる、としてみようかなと思いました。
BCAAとは必須アミノ酸のうちの3つを表す言葉
私たちの体は水分以外にタンパク質でできています。タンパク質は多数のアミノ酸が繋がって出来ている高分子化合物です。
アミノ酸は全部で20種類あり、すべてが揃っていないとうまくタンパク質を合成できません。
アミノ酸は体内で合成できる非必須アミノ酸と、体内で合成できない必須アミノ酸でできています。
11種類の非必須アミノ酸と9種類の必須アミノ酸(EAA)で20種類なのです。
必須アミノ酸はバリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジンの9種類となっています。
そのうちのバリン、ロイシン、イソロイシンの3つを分岐鎖アミノ酸と言い、分岐鎖アミノ酸の英語表記の頭文字を取ってBCAAと言います。
私はBCAAを知らなかったのですが、必須アミノ酸であったことや疲労を溜めにくくする役割があったと勉強になりました。
アミノ酸は短時間でエネルギーに変換されるので、運動中のパフォーマンスを上げたい方が利用するといいかもしれませんね。
BCAAを飲むタイミングや量は目安がある
BCAAを寝る前以外に効率的に摂取するタイミングとして推奨されるのは下記の通りです。
- 運動の直前(30分前くらい)
- 運動中
BCAAはアミノ酸なので素早くエネルギーに変わります。運動30分前に摂取し、運動中に体内に吸収され、疲労を軽減してくれます。
運動中は体内のアミノ酸が使われていくので、エネルギーの補給が途切れる前にBCAAで補うと良いでしょう。
長時間連続してのトレーニングの場合は、継続してBCAAを摂取するのがおすすめです。1時間に1回の摂取を目安にされるとよいです。
疲労物質が発生しにくくなることで、長時間の運動が可能になるのです。
また、運動時以外の摂取の場合は下記の時間がお勧めです。
- 起床時
- 就寝前
眠っている間にもエネルギーは消費されています。起床時はエネルギーが足りていない状態になっていますので、BCAAで素早い補給ができます。
アミノ酸には安眠効果も期待できますので、就寝前の1時間から30分前に摂取するのが良いでしょう。アミノ酸による疲労回復効果も見込めますよ。
摂取する量は、運動開始30分前に2g(2000mg)以上の摂取、それから1時間ごとに2g(2000mg)摂取していくのがお勧めです。
運動時はBCAAの要求量が高まるため、運動30分前~運動中にBCAAを2,000mg以上摂取することがBCAAを効率よく作用させる為には重要であることが推察されました。
大塚製薬
運動直後にも摂取して大丈夫です。運動後の30分間は運動で壊れた筋肉の修復が見込めますよ。
それ以降は筋肉の修復のためにはBCAAではアミノ酸の種類が少ないため、プロテインやECAAを摂取するほうが良いでしょう。
私はBCAAをこんなにこまめに飲むことがいいとは知りませんでした。
BCAAやアミノ酸の粉末を運動前や運動中にも摂取している人が多いなと思っていましたが、こまめにエネルギーを補給して疲労感も軽減させる効果が期待できるからなのですね。
BCAAの効果は筋肉を維持し疲労を回復させる
BCAAについては下記の効果があるとされています。
- エネルギーの生成
- 筋肉を維持する
- 脳が感じる疲労を緩和
- 肝臓の保護
- 運動能力を向上させる
わかさの秘密サイトではBCAAの様々な効果が紹介されています。
まずBCAAにはエネルギーを作る効果が期待できます。脂肪をエネルギー源とするとき、BCAAがあるとスムーズに脂肪を燃焼できると言われています。
私はダイエットのために筋肉を鍛えているので、BCAAを摂取することで脂肪にも働きかける役割があることは嬉しいです。
さらにBCAAには、脳が感じる疲労を軽減し、疲労物質をエネルギーへ変換する効果も期待できます。
BCAAを摂取することで、疲労物質をエネルギーに変換するクエン酸回路を回し、疲労物質であるセロトニンの発生を抑制するのです。
ただ脂肪燃焼し促すだけでなく疲労の軽減などにも同時に効果があるとは、一石二鳥な気がしてとっても魅力的ですね。
それだけでなく肝臓にもBCAAが効果があるということに驚きました。スポーツだけでなく、疾患にもBCAAが役に立つのですね。
そこで今回はBCAAの効果としてよく知られている、筋肉との関係と、肝臓への影響について下記で詳しくご紹介していきます。
筋肉の分解は栄養や休息が足りないことが原因のひとつ
BCAAはタンパク質の合成を促し、筋肉の分解を抑制します。
BCAAの中のロイシンが特に筋肉の回復に働くので、筋肉の維持にはBCAAが欠かせません。
運動のエネルギー源であるグリコーゲンが不足すると、筋肉を分解してエネルギーにしようという働きが始まります。
それを防ぎ、筋肉量を維持するために食事やサプリ等でBCAAを補っていくことが大切です。
体を動かすエネルギーが不足してしまうと、筋肉が代わりの材料として使われてしまいます。その結果、筋肉の減少が起きてしまうのです。
いくら頑張って運動をしても、体のエネルギーが足りなければ、筋肉量がどんどん減ってしまうということですね!
つまり、筋肉の減少はエネルギーの不足によって起こります。エネルギーの不足は主に栄養の不足と長時間のトレーニングが原因です。
過度な食事制限では栄養が不足してしまいます。特に筋トレや有酸素運動がエネルギーを使うので不足が起こりやすいのです。
長時間のトレーニングでもエネルギーの不足が起こります。トレーニングでのエネルギー不足の場合、プロテインだとエネルギーとして素早く使うことができません。
そこでBCAAで素早くエネルギー補給することが大切なのです。
私は調子がいいときは休憩なしで筋トレをしていましたが、効果的にエネルギーの供給ができていなかったかもしれないと思いました。
脂肪を減らすためにと栄養補給を怠るより、エネルギーに素早く変わるBCAAを飲むことが大事なのですね。
肝臓を疲れさせないことで基礎代謝を上げよう
肝臓病患者はBCAAの合成量が低下すると言われています。BCAAには肝臓の栄養状態を改善する役割があります。
BCAAを意識した食事を摂取することで、肝臓病や肝臓移植後の回復に役立ちますよ。
また、肝臓は基礎代謝との結びつきも強く大正製薬のサイトでは、基礎代謝のうち肝臓が占める割合は21パーセントです。
私はダイエットを何年もしているのですが冬の寒い間、どうしても運動する気が起きない時や筋トレに飽きてしまうことがありました。
そこで楽して痩せたいと思い調べると、基礎代謝に興味を持ちました。リセライーツのサイトによれば、呼吸をしたり日常の動きをするだけでエネルギーは消費されます。
肝臓の働きが良ければ基礎代謝が上がり楽に痩せられるのでは?と思うようになりました。
1日の総エネルギー消費量の約60パーセントを基礎代謝が占めています。
つまり、肝臓が健康だと基礎代謝が上がり、エネルギーの消費を増やせるということです。
さらにスポーツナビドゥーのサイトによると、肝臓は栄養素を代謝し、脂質の消化吸収を促進する作用があります。
しかし、肝臓が疲労してしまうと体内に脂肪が蓄えられることになります。
つまり、肝臓を疲れさせなければ代謝の良い体になれるのです。
肝臓の健康のためにBCAAの摂取がおすすめですが、摂取が手元にない場合はこのような食べ物でも代用できますよ。
- しじみ
- 牡蠣
- 人参
- トマト
- サンマ
- えのき
- ブロッコリースプラウト
肝臓は尿素回路で栄養を代謝しています。しじみやえのきに含まれるオルニチンはこの回路の働きを良くし、肝臓の疲れを取り除いてくれます。
しじみにはオルニチンだけでなく、タウリンも豊富で、肝臓の働きを活発してくれるのです。これは牡蠣にも含まれているのでおすすめですよ。
野菜類では、人参とトマトに肝臓疲労の原因である活性酸素の働きを弱める抗酸化作用があると言われています。
肝臓の負担を減らすには、不飽和脂肪酸が含まれるサンマが良いでしょう。
カゴメ株式会社はブロッコリースプラウトのもつスルフォラファングルコシノレートが肝臓が持つ解毒抗酸化、抗炎症を高めると言います。
私はなるべくまな板と包丁を使わないで肝機能を高めたかったので、手軽に食べられる食材を食べることにしました。
ブロッコリースプラウトは根っこがついているものはキッチンバサミで切り、生のまま食べます。えのきもキッチンバサミで切ります。
ご飯に細かくした白滝を混ぜてダイエットをした人のレシピに着想を得て、私はそうめんにえのきを入れました。
えのきは石づきの部分からカットし、長いままにします。それをそうめんと茹でると糖質を抑え、肝臓に優しいメニューができましたよ。
食感はえのきとそうめんが一体化して違和感がなく、他の食材でも合いそうだと思いました。よろしければご参考になると嬉しいです。
BCAAとプロテインの違いは吸収スピード
BCAAとプロテインにはどのような違いがあるのでしょうか?表にまとめました。
<BCAAとプロテインの違い>
BCAA | プロテイン | |
成分 | 必須アミノ酸の中の3つ | 20種類のアミノ酸(非必須と必須アミノ酸) |
吸収速度 | 早い(約30分) | 遅い(約2時間) |
飲むタイミング | 運動直前や運動中 | 運動前や運動後 |
効果 | 何の筋肉を作るか指示 | 筋肉の合成の促進 |
プロテインはタンパク質のことで、20種類のアミノ酸からできています。
つまり非必須アミノ酸と必須アミノ酸の両方を含んでいるのです。タンパク質は体の中で、タンパク質からペプチド、ペプチドからアミノ酸となり、腸で吸収されます。
タンパク質は20種類のアミノ酸を含んでいるのでBCAAより吸収に時間もかかり、消化器官にかかる負担も多くなります。
プロテインは吸収が緩やかで血中のアミノ酸濃度を緩やかに高めるので、筋肉の合成や修復効果の持続が期待できます。
BCAAの場合は、既にアミノ酸の形になっていますので、飲んだ後素早く吸収され即効性があると言えます。
しかし、血中濃度が下がるのも早いため、持続性に期待はできません。
BCAAは必須アミノ酸3つだけですので、筋肉の材料としては足りず、アミノ酸を食べ物やプロテインで補う必要があります。
成分だけを見るとプロテインは20種類のアミノ酸を含んでいますので、これだけ飲めばよいかというと違います。
BCAAとプロテインは持続時間や即効性が違うのでどちらも必要なのです。
ではプロテインとBCAAを混ぜて飲んだらいいのでは?と思うかもしれませんが、それはお勧めいたしません。
BCAAはアミノ酸なので素早く体内に吸収されますが、タンパク質と同時に摂取してしまうと吸収される時間が遅れてしまう可能性があります。
吸収スピードが違ってしまうとBCAAのメリットも薄れますので、同時摂取はしないほうがよさそうです。
私もプロテインに20種類のアミノ酸が入っているならプロテインだけでいいと思っていたのですが、吸収率やそれぞれの役割の違いからBCAAの必要性を感じました。
まとめ
- BCAAは寝る前に飲むと眠っている間の筋肉の分解を防げる。
- BCAAを寝る前に摂取すると眠れなくなる可能性がある。
- BCAAは必須アミノ酸の9種類のうちの3種類のこと。
- BCAAは運動強度の軽減や筋肉の分解に代わってエネルギーとなったり、疲労感の減少が期待できる。
- BCAAは運動の30分前や運動中、運動直後に摂取してエネルギーを素早く体に取り入れることが大切である。
- BCAAは起床時のエネルギー補給、就寝前の摂取もおすすめである。
- BCAAはエネルギーになったり、筋肉の維持の助けになる。
- BCAAは疲労の緩和や肝臓の保護にも役立つ。
- プロテインは20種類の非必須アミノ酸と必須アミノ酸でできており、BCAAとは異なる。
- BCAAとプロテインを同時に飲むより別々の時間に飲んだほうがそれぞれのメリットが生きやすい。
いつも運動後にプロテインだけを飲んでいたのですが、BCAAを摂取することのメリットやそれぞれの違いが分かりました。
BCAAを寝る前に飲むと、筋肉の分解を防ぎ筋肉量を維持できますが、眠りが浅くなる可能性があるので、摂取のタイミングや量には注意が必要です。
寝る前のBCAAの摂取にはデメリットだけでなくメリットもあるので、飲んでみて自分に合っているようなら続けようと思います。
BCAAのほうがプロテインより素早くエネルギーになるので、運動中や運動直後にはBCAAを1時間に1回ほど飲んで、運動のパフォーマンスを上げたり、筋肉の分解を抑制しましょう。