人参の葉には毒は入っておらず、実は根よりも栄養が豊富に入っていることが分かりました。
人参の葉には毒はなく、ヘタから切り落としても再生できる上に、人参の葉のレシピは意外とたくさんあり、美味しく頂けます。
お店で人参を買ってきて調理をする際、人参のヘタの部分を捨てているご家庭も多いことでしょう。
私も人参の調理をする際は必ずと言っていいほど、ヘタの部分を切り落として捨ててしまっています。
人参の葉には毒が入っていると思われる原因と葉の栄養、そして美味しく食べられるレシピや簡単にできる人参の葉の家庭菜園の仕方をご紹介いたします。
この記事を読めば、これまでの人参の葉に対する先入観がなくなり、葉を食べてみたくなりますよ♪
人参の葉には毒があるというのは勘違い
人参は料理に使うと色鮮やかになり、見た目もいいですよね。
主婦である私は人参を料理に使うことが多いのですが、その際に必ずと言っていいほどヘタを切り落とし捨てていました。
「人参の葉には毒がある」という話を聞いたことがあったからです。
ですが、実際は人参の葉には毒は入っておらず、「ドクニンジン」という植物に毒が入っているのです。
「人参」と「ドクニンジン」は同じセリ科ですが、属名は全く違います。
ニンジンとはセリ科ニンジン属の根や葉を食用とする野菜で、一般的にニンジンと言えば根の方を指します。代表的な緑黄色野菜で知られています。
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ドクニンジンの花はレースのようでとても綺麗ですが、猛毒なのです。
一般名 ドクニンジン
分類 セリ目Apiales、セリ科Apiaceae、ドクニンジン属Conium
厚生労働省
全く違う二つを見比べ、私はなんとなく葉の形も似ているな、と思いました。
同じセリ科で葉の形も似ているからこそ、人参の葉には毒があると思われてしまうのですね。
ですが色々調べるうちに、実は人参の葉には毒ではなく、栄養が入っていることがわかったのでご紹介いたします。
人参の葉には毒ではなく栄養が入っている
まずは、生の葉人参と皮付きの生の人参、皮なしの人参に含まれる栄養成分の比較をするために、日本食品標準成分表2020年版(八訂)のデータを元にまとめてみました。
【各100gあたりに対する成分比較】
葉人参 | 人参(根)皮付き | 人参(根)皮なし | |
エネルギー(kcal) | 16 | 35 | 30 |
水分(g) | 93.5 | 89.1 | 89.7 |
たんぱく質(g) | 1.1 | 0.7 | 0.8 |
炭水化物(g) | 3.7 | 9.3 | 8.7 |
ナトリウム(mg) | 31 | 28 | 34 |
カリウム(mg) | 510 | 300 | 270 |
カルシウム(mg) | 92 | 28 | 26 |
マグネシウム(mg) | 27 | 10 | 9 |
リン(mg) | 52 | 26 | 25 |
鉄(mg) | 0.9 | 0.2 | 0.2 |
ビタミンK(μg) | 160 | 17 | 18 |
ビタミンB1(mg) | 0.06 | 0.07 | 0.07 |
ビタミンB2(mg) | 0.12 | 0.06 | 0.06 |
ビタミンB6(mg) | 0.15 | 0.10 | 0.10 |
葉酸(μg) | 73 | 21 | 23 |
ビタミンC(mg) | 22 | 6 | 6 |
食物繊維(g) | 2.7 | 2.8 | 2.4 |
この結果を見ますとほとんどの項目で根よりも葉に多くの量の栄養素が含まれていることが分かります。
カリウム、カルシウム、ビタミンK、葉酸においては根の何倍もの栄養量が入っています。
それを今まで捨てていたと考えると、私はとてももったいなく感じました。
人参の葉は家庭菜園で育てることができる
人参は「水耕栽培」という育て方で、簡単に家庭でも葉だけ育てることができます。
一般的にスーパーなどで売られている人参は、葉が付いておらず、ヘタだけが付いた状態で売られています。
葉の栄養を摂りたいのになかなか手に入らないと思う方は、葉を育ててみましょう。
- 1人参のヘタを1.5㎝ほどの所で切り落とす。
- 2小皿を用意して数㎜の水を入れる。
- 3切り落とした部分を下にして、そっと小皿に人参を入れる。
注意することはヘタに直接水をかぶせず、水は一日一回以上換えて、衛生的に保ちます。
すると2~3日すると少しヘタの部分からからニョキっと葉が伸びてきます。
これなら簡単に家の中での家庭菜園ができますね♪
私も実際に家の中で人参の水耕栽培をしてみましたが、とても簡単でした。
一日目の様子
七日目の様子
私は面倒くさがりで、水を替えることを忘れてしまうことがありましたが、屋内に置いて一週間で4cmほど伸びていました。
さすがに一本では少ないので、調理して食べるには何本か育てた方がいいかもしれませんね。
美味しく栄養が摂れる人参の葉のレシピをご紹介
人参の葉は調理することはもちろん、葉が柔らかければ生でも食べることができます。
独特の苦みがあるようですが、新鮮なものはそれほどクセを感じることはありません。
葉人参のレシピはたくさんありますが、その中でも私のおすすめする2品をご紹介いたします。
【人参の葉のジェノベーゼソース和え】
【下準備】
人参の葉を根の付け根ぎりぎりで切り落とし、水でよく洗いザルにあげて水気を軽く切っておく。
【材料】
- 人参の葉 30g
- くるみ 30g
- にんにく 1片
- パルメザンチーズ 30g
- EXFバージンオリーブオイル 90g
- ブラックペッパー 少々
【作り方】
- くるみを軽く炒る。
- ①、人参の葉、にんにくをフードプロセッサーに入れよく混ぜる。
- オリーブオイル、パルメザンチーズを足し、ペースト状にする。
- 仕上げにブラックペッパーを入れて軽く混ぜる。
ジェノベーゼソースといえばバジルというイメージが強かったので、人参の葉でジェノベーゼソースを作るなんて、私は予想外の発想で驚きました。
ジェノベーゼソースをまとめて作っておけば、色々な料理に使って食べることができますね♪
次は、たくさんの人参の葉のレシピで、私が一番美味しいと感じる人参の葉のかき揚げです。
【人参の葉のかき揚げ】
【下準備】
人参の葉を根の付け根ぎりぎりで切り落とし、水でよく洗いザルにあげて水気を軽く切っておく。
【材料】
- 人参の葉
- 小麦粉
- 片栗粉
- 水
- 油(揚げる用)
【作り方】
- 5~8cmくらいの長さに切って大きめのボウルに入れる。
- 葉の入ったボウルに小麦粉:片栗粉=2:1の割合で上からまぶし、粉より少ないくらいの水を入れる。
- 箸でよく混ぜ、葉が絡み合うまで粉と水を少しずつ足す。
この際粘度があった方がまとまりやすい。 - ラップをして冷蔵庫で少し寝かす。
- 油を170度に熱し、葉をお好みの大きさにまとめて油の中に入れていく。
- 途中ひっくり返し、油の温度を180度まで上げてカラッと揚げる。
また、人参の葉は見た目がイタリアンパセリに似ていることから、パセリの代用としても飾りつけに使えます。
葉がついた人参を貰ったり、食べる際には是非参考にしてみてください♪
人参の葉を買うには通販で購入するのが確実
スーパーに置いてある人参には葉が付いていないことがほとんどです。
その理由は根の栄養が葉に吸い取られるからだそうです。
人参農家で葉が付いたまま輸送されると届くころには人参は栄養が無くなり、フニャフニャになってしまうのです。
栄養がたくさん入っているのに売られている人参には葉が付いていない理由を知り、私はそんな理由があったのかと納得しました。
葉が付いたまま出荷されると、店頭に並ぶ頃には人参が柔らかくなってしまいますね。
人参の葉を購入したい場合、生産者直売所だと葉ごと出品されていて買える場合もありますが、必ずしも葉付きの人参が買える保証はありません。
確実に購入できるところを探してみると、楽天市場で見つけられました。
こちらの商品は、ウサギの餌用として買われている方もいましたが、調理して食べるために買われている方もたくさんいました。
別の商品はウサギの餌用としても売っていました。
私はウサギの好物が人参というのは知っていましたが、人参の葉も好物だと知って驚きました。
あまり値段も高くなく、全長が約15cmほどと長いので育てるのが面倒ですぐに食べたい方にはおすすめです。
私も、お店を探しましたが葉付きの人参はなかなか見当たらず、購入するときは通販を利用しようと思います。
まとめ
- 人参の葉には毒が入っていると思われがちだが、毒が入っているのは「ドクニンジン」という同じセリ科の植物である。
- 人参の葉には根よりも栄養がたくさん入っており、カリウム、カルシウム、ビタミンK、葉酸は根の何倍もの栄養が入っている。
- 人参の葉は水耕栽培という方法で簡単に家庭で育てることができる。
- 水耕栽培をする際は一日一回以上水替えをして衛生的に保つ。
- 人参の葉は葉が柔らかければ、生でも食べられる。
- 独特の苦みがあるが、新鮮で葉が柔らかいものはそれほどクセを感じない。
- スーパーに葉付きの人参が置いていないのは、葉が付いているままだと根の栄養が葉に吸い取られるからである。
- 生産者直売でも購入可能だが、通販が確実に購入できる。
私は今まで人参の葉を食べれるということを知りませんでしたが、今回調べてみて様々な食べ方ができることを知りました。
そして何よりも驚いたことが、根よりも栄養がたくさん入っていることです。
食べてみたい好奇心と、家族がいつまでも健康でいられるように作ってみたいです。
皆さんも今まで捨てていた人参の葉の部分にスポットを当て、食べて健康的な食生活を送ってみましょう。