分葱は傷みやすい食材なので冷凍保存がおすすめです。
刻んで冷凍保存すれば鮮度を保って長期保存でき、使いたい時にすぐ使えてとても便利ですよ!
冷凍保存すると食材同士がくっついてしまうのがストレスですが、ひと手間加えるだけでパラパラ冷凍が可能になるので、そのコツもご紹介します。
分葱は「ワケギ」と読み、見た目は長ネギととてもよく似ているのですが、厳密にはネギではありません。
色々と謎が多い分葱について、産地から特徴、栽培方法、使用例までリサーチしてみました!
万能ネギなど、分葱とよく似ている野菜との違いも解説していきます。
最後に、分葱と豚肉チヂミのレシピを載せています。
分葱の甘みとシャキシャキ食感がポイントになりますので、正しく保存して新鮮な分葱で料理を楽しんで下さいね!
分葱の保存は高温を避けて冷蔵庫か冷凍庫がよい
分葱は高温に弱く傷みやすい野菜なので、常温ではなく冷蔵や冷凍保存が向いています。
冬場であれば常温保存で数日なら可能ですが、夏場はしっかり冷蔵庫や冷凍庫で保存しましょう。
せっかくの美味しい野菜ですので、鮮度を保って良い状態で食べたいですよね。
まずは分葱の冷蔵保存と冷凍保存の方法についてご紹介していきます。
冷蔵保存は正しく保存しても早めの消費がおすすめ
分葱を冷蔵庫で保存する場合は、乾燥しないように工夫して保存しましょう。
切らずにそのまま保存する方が長持ちし、冷蔵庫に入れる際は以下のどちらかがおすすめです。
- 新聞紙などに包んで野菜室に入れる
- 湿らせたキッチンペーパーで包み、ビニール袋に入れて野菜室に入れる
私はいつも長ネギなどは新聞に包んで保存していましたが、湿らせたキッチンペーパーを使う方法は知りませんでした。
野菜室は一般的に冷蔵室より2度ほど高めですので、温度が低すぎずほどよく湿度があり、野菜の鮮度が保ちやすくなっています。
それでも傷みやすい野菜ではありますので、3日~5日を目安に消費するのが良いでしょう。
また、やむを得ず常温保存する場合にも、冷蔵保存と同じように、切らずに新聞紙に包んでの保存が良いですね!
分葱は刻んで冷凍保存が便利!使いたい時にすぐ使える
分葱を冷凍保存する場合は、刻んでから冷凍するといざ料理をする時にとても便利です。
また使いたい分だけ取り出せるように、分葱同士がくっつかないようパラパラに凍らせるのがおすすめですよ!
- 1分葱を水洗いする
- 2ペーパータオル等でしっかりと水気をとる
- 3分葱を好みの大きさに刻む
- 4タッパーやジップロック等の保存容器に入れて冷凍する
容器にキッチンペーパーを敷いたり、分葱を平らにするとくっつきにくくなる
- 51時間位したら取り出して容器をシャカシャカ振って、また冷凍する
シャカシャカと振りやすいように、容器には余裕をもたせるのがポイントです!
他の小ネギなどを冷凍する際も、同様の手順で同じようにパラパラになります。
また、ご家庭の冷蔵庫に急速冷凍機能があれば、そこに入れるだけでパラパラ冷凍が可能です。
急速に冷凍する事で霜がつくのを防ぎ鮮度もキープでき、シャカシャカ振る手間もはぶけてとても便利ですね!
私は夏場はそうめんや冷ややっこをよく食べるので小ネギを常備しておくのですが、大抵買ってすぐ刻み、その日に使う分以外は急速冷凍しています。
急速冷凍から出したネギは、下の写真のようにパラパラです。
写真は分葱ではありませんが、いつも色々なネギを急速冷凍して使っています。
使いたい分だけキレイに取り出せ、そのまますぐ料理に使えるので、急速冷凍は私の一番のお気に入りの機能です!
取り出したネギはしばらく常温に置いておくとベチョベチョになってしまうので、使う分だけ出してすぐ冷凍に戻すのがよいでしょう。
分葱の旬は春!入荷状況は地域によって大きく違う
分葱は一年中出荷されていますが、旬の時期は2月~4月で春先が一番美味しいと言われています。
ですが旬の時期でもスーパーなどで分葱が見当たらない事もあります。
4月中旬頃、スーパーと産地直送のお店を5軒ハシゴしたのですが、分葱を見つける事ができなかったのです。
旬の時期を少し過ぎてしまったのかと思ってスーパーの店員さんに聞いたのですが、そのスーパーでは年間を通して置いていないという事でした。
後日調べてみると、分葱は西日本を中心に栽培されている野菜だと分かりました。
私は関東近郊に住んでいて、東日本ではそこまでメジャーな野菜ではないのだと分かり、残念ですが納得です。
分葱の国内生産量1位は広島県で、国内全体の生産量の半分以上が広島県産です。
瀬戸内海の温暖な気候とミネラルを多く含む土壌が、分葱の栽培に向いているのですね。
ですが、西日本以外で買えない訳ではなく、関東のスーパーでもよく見かけていた事もあるので、タイミングの問題もあるのかなと思いました。
試してみたい方は下記で購入できますので、よければお試しください♪
分葱の特徴と他のネギとの違いも調べてみた!
分葱は「わけぎ」と読み、厳密にいうとネギではなく、ネギと玉ねぎ(エシャロット)が自然に混ざり合ってできた品種です。
私は、実は最近まで分葱の読み方も知らず、また「葱」という漢字が入っているので「ネギ」である事は間違いないと思っていたので非常に驚きました。
また、スーパーでは小ネギや万能ねぎなど沢山の種類が売られていますが、その違いについて深く考えずに購入していました。
今回分葱について調べてみると、他のネギとの違いが分かってきて、たくさんの発見があり驚きの連続です!
分葱の特徴をはじめ、あさつきや万能ネギについても特徴をまとめてみました。
分葱はネギより香りがマイルドで甘くて食べやすい
分葱は一見ネギととても良く似ていますが、根元の部分に大きな違いがあります。
ネギは葉先から根本までがまっすぐに伸びているのに対し、分葱は根元の白い部分が大きく膨らんでいます。
また、ネギは種を植えて育てるのですが、分葱は球根で育てる野菜です。
そんな分葱の特徴を簡単にボックスにまとめてみました。
今まで気が付かなかっただけで、分葱はなかなか特徴的な見た目をしていたのですね!
新鮮な分葱を見分けるポイントもまとめてみました。
新鮮な分葱を選んで正しく保存して、美味しく頂きましょう。
あさつきは葉の色が浅くて細く香りがよい
あさつきは、分葱とよく似ており、根元がぷっくりと膨らんでいるのが特徴です。
分葱と同様に球根を植えて育てる野菜ですが、葉の細さと色に違いが見られます。
私は東北育ちなのですが、確かに昔よく「あさつき」という名を耳にした事を思い出しました。
おみそ汁に入っていたり、お刺身にのっていたのがあさつきだったんだと思うと、懐かしい気持ちになりました。
あさつきには、魚介の臭みを和らげる効果も期待できるので、お刺身にのっていたのも色どりだけではなかったのだと納得です。
関西で暮らした事がない私にとっては、分葱よりもあさつきの方が馴染みのある野菜だったのです。
万能ネギは小ネギの一種であり商品名である
まず分葱と大きく違う点は、万能ねぎや小ネギはネギの分類だという事です。
元々は、関東はネギの白い部分(長ネギ)を食べるのが主流で、関西ではネギの緑色の部分(葉ネギ)を食べるのが主流でした。
葉ネギを若取りしたものの総称が「小ネギ」です。
ネギにも色々とルーツがあって、なかなかややこしいですね!
そして「万能ネギ」は小ネギの一種ではあるのですが、品種ではなく、福岡で栽培されているネギの商品名だったのです。
私は万能ネギが商品名だとは思わなかったので、驚きです!
その後スーパーで万能ネギをチェックしてみたのですが、福岡産で間違いありませんでした。
万能ネギは名前の通りどんな用途にも合ってとても使いやすいネギだと思います。
我が家では、万能ネギは料理の色どりが寂しい時の救世主としても大活躍中です!
分葱の球根を上手に保存すればまた収穫できる
分葱は球根を植えて育てる野菜で、初心者でも育てやすいと言われており、家庭菜園に向いています。
プランターで育てられるので、マンションなどにお住いの方でもチャレンジできます。
ベランダで家庭菜園というとプチトマトやシソなどのイメージだったけれど、色々育てられるのですね!
分葱の球根は正しく保存しておけば、また次のシーズンにも使用する事ができるのでとてもお得です。
分葱の育て方や収穫時期、球根の保存方法についてもご説明していきます。
分葱の栽培のおおまかな流れと気を付けたいこと
前の章で分葱の旬は春先とお伝えしましたが、実は分葱は秋と春に収穫を楽しむ事ができます。
分葱の旬は株を分けて増やせる事から「分葱」と呼ばれています。
20~30cm位まで育ってきたら、根元3cm程を残して収穫するとまた生えてくるので、繰り返し収穫できますよ。
分葱の球根栽培のおおまかな流れについて、まとめてみました。
- 18月下旬~9月にかけて球根を植え付ける
- 210月~11月には1期目の収穫ができる
地際を残して収穫した後、追肥すると20日~30日でまた再生する
- 3冬は一旦生育が止まるが、春になればまた生育される
- 43月位に2期目の収穫ができる
- 55~6月頃に葉が枯れてきたら球根を掘り上げる
土を落として乾燥させ、ネットなどに入れて保存する
- 68月頃にまた球根を植え付け、上の手順を繰り返す
繰り返し育てられるので、経済的にもとても有難いですね!
栽培の際の注意点をいくつか取り上げてみました。
- 日当たりが良くて、風通しの良いところに植える
- プランター栽培の場合、市販の培養土などを使うと便利
- プランター栽培なら、土の表面が乾いてきたら水やりをする
- 収穫したら、追加で肥料を足すとよい
乾燥させないように適度な水やりが必要なんですね。お子さんがいるご家庭では、毎日のお手伝いとして楽しみながらやってくれるかもしれんませんね!
分葱の球根は風通しのよい場所で保存しよう
分葱の球根は再利用できるので、オフシーズンには適切に保存しておきましょう。
分葱の球根は、夏前の葉が枯れてきた頃を目安に、一度土から掘り出します。
8月頃にまた植えるので、以下の点に注意して保存してみましょう。
- 土を落として日陰に干して乾燥させる
- ネットなどに入れて、風通しのよい日陰で保存する
いくつか注意点はありますが、思ったよりも簡単に始められそうな気がしますね!
私はマンション暮らしで家庭菜園はやっていないのですが、以前家から自転車で30分程の所に畑を借りていました。
長ネギや大根、プチトマト、きゅうり、なす、ししとうなど、様々な野菜の収穫を楽しんでいました。
新鮮な野菜が手に入り、また子供も小さかったので、畑は遊び場としてもとても良かったのです。
しかし距離的に毎日通う事もできず、不便さを感じて数年でやめてしまいました。
ベランダで野菜を育てる事ができれば、欲しい時にすぐ新鮮な野菜を収穫できるので、とても魅力的ですね!
分葱の球根は、ホームセンターで売っている所もありますが、楽天でも購入が可能ですよ!
私もベランダでのプランター栽培にチャレンジしてみたくなりました!
分葱の食べ方は郷土料理のぬた和えが有名
分葱を使った料理で1番有名なのが、ぬた和えです。
農林水産省のホームページでも広島県の郷土料理として分葱のぬた和えを紹介していました。
「ぬた」とは酢味噌を使ったタレの事で、味噌に酢や砂糖、みりんなどを入れる伝統的な調味料です。
魚介類や野菜と相性の良い、とろっとしたタレですよ。
軽くゆでた分葱と、イカやタコなどを酢味噌で和えれば完成です。
また、分葱は栄養も豊富で、美味しく食べて健康面もカバーできるのも嬉しいポイントですね。
(前略)わけぎにはカルシウム、鉄などのミネラルやビタミンA、B2、Cのほか、玉ねぎやその他のネギ類、ニラ、ニンニクに含まれる硫化アリルが含まれ、食欲を増進する働きがある。(後略)
農林水産省
食欲が落ちて栄養も不足している時食べれば、元気になれそうですね!
分葱のレシピなら大量消費もできるチヂミがおすすめ!
分葱の大量消費にはチヂミがおすすめです。
分葱のシャキシャキ感と甘みが、チヂミのもちもち感と相性が抜群でとても美味しいですよ!
今回はスーパーで分葱が手に入らなかったので、分葱によく似た特徴をもつ奈良県産の「一光ネギ」を使用して作りました。
写真は一光ネギですが、完成したものは以前分葱で作ったものとかなり近いですし、手順は一緒です。
「分葱たっぷりの豚バラチヂミ」の材料とレシピをご紹介します。
【材料】
- 分葱 100g
- 豚バラ肉 120g
- 玉葱 20g
- 人参 20g
- 小麦粉 60g
- 片栗粉 30g
- 水 120cc
- 卵 1個
- 鶏ガラスープの素 小さじ1
- 塩・こしょう 少々
- ごま油 適量
分葱以外の野菜は、お好みで入れても入れなくても大丈夫です。
私は子供に野菜をたっぷり食べてもらいたいたいのと、色どりの為に人参を入れています。
野菜の分量も目安ですので、入れたい分だけお好みで入れれば良いと思います!
- 1野菜と肉は材料の写真のように、適度な大きさに切っておく
- 2大きめのボウルに、小麦粉、片栗粉、水、卵を入れて混ぜ合わて生地を作る
- 32の生地に、鶏がらスープの素、塩、こしょうを加える
- 43の生地に、切っておいた肉と野菜を加え、大きく混ぜ合わせる
- 5フライパンにごま油を敷いて熱し、生地を流し込む
- 6焼き色が付いたら、裏返して3分~5分を目安に焼いて完成
フライ返しで適度に押し付けると、真ん中もしっかり焼ける
チヂミはニラで作る事が多かったのですが、初めて分葱で作った時は、新鮮な食感と自然の甘みに感動しました!
たれはお好みの調味料を混ぜるだけですが、我が家のタレのレシピをご紹介します。
【チヂミのタレ】
- ポン酢 大さじ2
- ごま油 大さじ1/2
- 砂糖 小さじ1/2
- 白すりごま 適量
子供向きの辛くないタレですが、大人の方や辛いのがお好きな方は、ラー油やコチュジャンを追加するのも良いですね。
とても手軽に作れるのに、美味しくてお腹もいっぱいになるので、是非作ってみてくださいね♪
まとめ
- 分葱は傷みやすいので、冷蔵庫の野菜室や冷凍保存がおすすめ
- 冷凍保存なら、ひと手間加えてパラパラに冷凍すれば、いつでも使いたい分だけ使えて便利
- 分葱は西日本を中心に生産されているので、東日本では旬の春頃でも手に入らない事もある
- 分葱は玉ねぎとネギの雑種で、辛みやクセもなく、炒めると甘みが増して食べやすい
- あさつきは分葱同様ネギではないが、小ネギや万能ネギはネギであり、葉の細さもそれぞれ違う
- 分葱は球根で育ちプランターでも育てられるので、初心者の家庭菜園にもおすすめ
- 分葱の球根は、収穫後に堀り上げて風通しのよい場所で保存すれば、また利用できる
- 分葱の有名な郷土料理はぬた和えで、白味噌で和えたもの
- 分葱の大量消費にはチヂミがおすすめで、甘みとシャキシャキ感が絶妙に良い
今回分葱について調べてみると、分葱のルーツやそれ以外のよく似た野菜についても知る事ができて、たくさんの発見がありました。
分葱をはじめ、それぞれのネギの特徴を知る事で、これからは上手に使い分けができると思います。
スーパーでネギ類のコーナーに行くのが楽しみになってきました!
野菜は鮮度が命ですので、適切な保存方法で、素材の良さを生かしながら美味しく頂きましょう。