「㏄」と「ml」の違いは、単位の定義の基準が平方センチメートルまたはリットルの体積かによって異なります。
「㏄」と「ml」は同じ量で日常生活では使い分ける必要がありません。
同じ量なのに単位が2種類ある理由は、昔からの名残で存在することがわかりました。
しかし、医療現場や研究などで使用される公的な書面では「㏄」の使用は推奨されていません。
私は時々「cc」と「ml」は確か同じ量だよねと思いながら料理をしています。
レシピを見ると「水200㏄」、「牛乳100ml」や「出汁1cup」など調味料を計る機会が多くありますが、調味料の単位はたくさんあり迷ってしまいますよね。
量を間違えると濃くなったり薄くなったり失敗の原因となります。
今回は「㏄」と「ml」の詳しい違いと間違いやすい「g」についても合わせて解説をいたします。
日常生活で「㏄」と「ml」を使い分ける必要がない
「㏄」と「ml」は同じ量と認識して問題はありません。
量は同じなのに、なぜ「㏄」と「ml」の両方が使用されているのでしょうか。
「㏄」は、牛乳瓶や容器の体積の内容量を表すものとして幅広く使用されていたため、その名残で今でも使用されています。
しかし、単位の世界基準でもある国際単位系(SI)や日本の国家規格である日本工業規格(JIS)では「cc」は使用が推奨されていません。
「㏄」が推奨されない理由は、「㏄」が「00」や「oo」と見誤りやすいからです。
私は「㏄」が世界基準の単位でないことを初めて知りました!
研究や医療現場では1㏄を100と見間違えて計量ミスが起こると大変ですからね!
そのため公的な文書や取引には「㎠」を使用することが望ましいとされています。
実際に牛乳パックや調味料のボトルを見ると「㏄」ではなく「ml」と表記されていましたよ!
しかし、量自体は同じなので、正式な文書での表記等以外の日常生活では「㏄」と「ml」の使い分けを意識する必要はありません。
ccとmlは同じ量!単位の定義の基準が異なる
料理をする時に「水100㏄」や「水100ml」という表記をよく見ます。
計量カップには「ml」と「g」が記載されているものが多く、私はレシピ本やサイトによって表記が異なるので混乱してしまいます。
ccとmlって同じだよね?
「cc」と「ml」はいずれも体積の単位を表すもので、1cc=1mlで同じ量です。
しかし、量が同じでも「cc」と「ml」では違いがあります。
ここでは「cc」と「ml」を詳しく掘り下げて解説をいたします!
「cc」は1辺が1cmの立方体の体積
英語の”cubic centimeter”を略して「cc(シーシー)」と表記され、日本語では「立方センチメートル」という意味です。
「㏄」は、他の文字と見誤るのを防ぐため、国際単位系や日本工業規格JISでは推奨されていません。
家にある計量カップを確認したところ確かに「㏄」ではなく「ml」と表記されていました!
つまり「cc」は液体の体積を基準として考えられている単位です。
「cc」は料理などで、必要な材料の量を説明するときに使用されることが多いですよね。レシピ本やお料理番組などでは馴染みのある単位です。
しかし、cc以外にも複数の単位がありますが、他の単位をccに置き換えてみると下記のような量になります。
上記を覚えておくと料理をする時にとても便利ですよ!
「ml」は1Lの1000分の1の体積
「ml(ミリリットル)」で使われるミリで1000分の1の体積を表します。
1mlとは1Lを基準にした1000分の1の液体の量です。
1Lの10分の1を表す「dl(デシリットル)」も私は学校で勉強したことを思い出しました!
「L(リットル)」は1795年にフランスで1dmとしてメートル法定時に定義されました。
つまりmlはリットルを基準として考えられている単位です。
実際にスーパーに行くと牛乳やジュースは「㏄」ではなく「ml」で表記されていました。
「L」も「㏄」と同様に国際単位系の基本単位ではありませんが、メートルやキログラムなどの国際単位(SI単位)との併用は認められています。
1000分の1である1㎠は、1Lの1000分の1である1mlと同じで、1ccと1mlは同じ量ですね。
ccもmlも量は同じになるので料理のレシピで分量が「㏄」とあれば、計量カップの「ml」で測りましょう!
ccとmlとgの違いは体積と質量である
私は料理のレシピを見ると「cc」や「ml」の他に「g」もよく見かけますが、「㏄」や「ml」は液体で「g」は固体で使用されるイメージがあります。
「㏄」と「ml」と「g」にはどのような違いがあるか解説をしていきます!
「g(グラム)」は質量の単位で、1gの1000倍が「kg(キログラム)」です。
つまり、「㏄」や「ml」は体積を表しているのに対して、「g」は質量を表しているので別の単位と考えてください。
ちなみに、「kg」の定義は2019年に「プランク定数」に改定をされ新しくなりました。
「kg」の定義は以前までは国際キログラム原器という分銅を元に定義をされていましたが、管理状況により基準が微小なズレがあることが見つかりました。
「プランク定数(6.62607045×10^-34)」とは物理現象に関わる基礎物理定数です。
プランク定数は物理において基本となる値なんだね!
プランク定数は光の粒の「光子」が持つエネルギーと振動数の比例関係を表しています。
そして、このプランク定数から割り出される光子のエネルギーこそがが「kg」で表される質量になるのです。
プランク定数について日立ハイテクで紹介されている図解はとてもわかりやすいので、合わせて参考にしてみてください!
日立ハイテク
2019年にグラムの定義が変わったからと言って、計りにのせて重さが変わるということはありません。
個人的には、質量「kg」は光のエネルギー量であることは、日常生活ではあまり実感していませんので、知識として覚えておこうと思います!
ccとmlをgへ換算する方法は難しい
レシピを見ていると「㏄」や「ml」と「g」が混在しているものがあります。
私は、計りを出すのが面倒なのでできれば計量カップや計量スプーンで計りたいと思います。
「㏄」や「ml」は下記の式で「g」に換算することができます。
この式を使うためには材料の密度を知る必要があり、日常的な利用はおすすめできません。
計算しなくても参考になるよう、S&B エスビー食品株式会社で紹介されている調味料の目安重量をもとに表を作成いたしました。
今回は料理やお菓子作りでよく使用する調味料の一部をまとめています。
詳しく知りたい方は、S&B エスビー食品株式会社のホームページではその他の調味料も紹介されているのでご覧ください!
小さじ(5ml) | 大さじ(15ml) | |
水 | 5g | 15g |
酒/酢/あら塩/牛乳/生クリーム | 5g | 15g |
醤油/みりん/味噌/食塩 | 6g | 18g |
上白糖/小麦粉/片栗粉/粉ゼラチン | 3g | 9g |
グラニュー糖/油/バター/ベーキングパウダー | 4g | 12g |
パン粉(乾燥) | 1g | 3g |
上の表では大さじの量は小さじの量に対して3倍になっていますが、その他の調味料では必ずしも3倍にならない場合もあります。
私は砂糖や塩の種類が異なれば重さが異なることを知らなかったので、料理の際に注意使用と思いました。
日本の計量カップの1カップは200cc(ml)である
レシピでは「㏄」や「ml」、「g」の他に「1カップ」と表記されていますよね。
「1カップ」とは容量で表すと何mlなのかご紹介します。
日本には計量カップが2種類あります。料理で使用する計量カップと炊飯器を購入した時にある小さめの計量カップはお米用計量カップです。
お米も調理用の計量カップで計った時に分量がいつもより多いと思ったことがありました。
日本の調理用の計量カップは1カップは200mlで、お米用の1カップは180mlと異なります。
お米は日本古来の単位である「1合」を使用するため1カップ=180mlです。
容量を見てみると、軽量カップで計ったお米の方が量が多いのがわかりますね!
計量カップの1カップあたりの容量は国によって異なる
実は計量カップの1カップの容量は国によって異なることをご存じでしょうか?
私は1カップの容量は全世界同じだと思っていたので驚きました。
以前海外留学していた時に料理をしていて計量カップに書いている単位が違たことを思い出しました。
日本で売られていても海外製の計量カップの容量が異なるので気を付けてくださいね!
国別の計量カップの1カップ当たりの容量は下記の通りです。
1カップ当たりの容量 | |
日本 | 200ml |
アメリカ | 240ml |
イギリス | 284ml |
カナダ/ニュージーランド/オーストラリア | 250ml |
国によって計量カップの容量が異なる理由は、質量の単位が違うからです。
日本では「キログラム(kg)」ですがイギリスやアメリカでは「オンス(oz)」や「ポンド(lb)」が使用されています。
オンスやポンドは「1g=1oz=1lb」と同じ質量ではありません。
海外のレシピ本では、その本が出版された国の単位で書かれていることが多いです。
従って海外のレシピ本では、日本では馴染みのない単位が使用されている場合がほとんどです。
日本で使用されている単位とは異なるためお料理をする際は気を付けましょう。
計量カップは正しく計ろう!
計量カップは液体と粉類を計れる調理器具です。
ただし、計量カップは体積を計るもので重量は正しく計れません。
また、計量カップで正しく計らないと分量が異なってしまうので気を付けましょう。
私はいつも面倒くさくて適当に計ってしまいます……。
また、計量カップではメモリが少なく、1g単位で細かくは計レません。
1g単位で計量が必要なパンやお菓子を作る時はデジタルスケールなどの計りを使用することをおすすめします。
まとめ
- 「cc」と「ml」の量は同じであるため、日常で使い分ける必要はない
- 「cc」は液体の体積を基準として考えられており、「ml」はリットルを基準として考えられている
- 公的な文書の時は見誤りを防ぐため「cc」ではなく「㎠」を使う必要がある
- 「cc」や「ml」は体積で「g」は質量を表している
- 「cc」や「ml」を「g」に換算することはできるが物質の密度を知る必要があるので簡単に計算できない
- 計量カップは国によって1カップあたりの容量が異なる
- 日本の計量カップの場合、1カップは200mlである
「㏄」と「ml」は定義の出発点が異なるだけで同じ量であることがわかりました。
しかし、「g」は「㏄」や「ml」とは質量が異なるので計量する時に注意が必要です。
公的な書面では「㏄」は推奨されないことを知ったので、私はなるべく使わないようにしようと思います。